#2: デジタル思考①:情報の整理整頓
AIに「正しく」伝えるための共通言語を学ぶ
📊 難易度: 初級
🎯 学習スキル: 構造化、マークダウン、YAML、C-O-R-F-V
導入
Week 1では「思考法」の全体像を学びました。Week 2では、その土台となる「デジタル思考」を実践します。
私たちが普段使う日本語は、実はとても曖昧です。「いい感じにまとめて」「早めにお願い」といった言葉は、AIには通じません。AIに意図を100%伝えるためには、情報を整理し、「AIが理解しやすい形式(構造)」に変換する必要があります。
💡 この週で得られること
曖昧な指示を卒業し、マークダウンやYAMLといったシンプルな記法を使って、AIから最高品質のアウトプットを引き出す「プロンプト作成スキル」の基礎が身につきます。
この章で登場する用語
📖 この章で登場する用語
学習内容
1. 曖昧さをなくす「5W1H」の徹底
AIへの指示がうまくいかない最大の原因は「前提条件の欠落」です。人間同士なら「あれやっておいて」で通じますが、AIには「文脈」がありません。まずは5W1Hを使って情報を洗い出しましょう。
| 要素 | 曖昧な指示(Bad) | 構造化された指示(Good) |
|---|---|---|
| When (いつ) | 早めに | 12月10日(火)の14:00までに |
| Where (どこで) | ネットで | Zoom(オンライン会議室)にて |
| Who (誰が/誰に) | みんなに | 入社3年目以内の若手社員に向けて |
| What (何を) | メール書いて | 研修案内のメール文章を作成して |
| Why (なぜ) | 大事だから | セキュリティ事故防止の意識向上のため |
| How (どのように) | いい感じで | 親しみやすく、かつ参加必須であることが伝わるトーンで |
2. AIに伝わる魔法の記法:マークダウンとYAML
ここがWeek 2の最重要ポイントです。AIは文章の「見た目」ではなく「記号」で構造を理解します。プログラミングの知識は不要です。以下の2つだけ覚えてください。
💡 なぜこれが重要なのか?
普通の文章で「〜してください。あと〜もしないでください」と長く書くと、AIは途中の指示を見落とすことがあります。YAML形式(箇条書き)にすることで、AIは全ての条件を「守るべきルール」として認識しやすくなります。
3. 鉄板フレームワーク:C-O-R-F-V
効果的なプロンプトには型があります。BestAI Programでは、以下の5要素を含めた「C-O-R-F-V」を推奨しています。
- Context (背景): 何の業務で、どんな状況なのか?
- Objective (目的): 最終的に何を得たいのか?
- Role (役割): AIにどんな立場で振る舞ってほしいか?
- Format (形式): どのような形で出力してほしいか?(表、リスト、コードなど)
- Validation (検証): 出力が正しいかどう判断する基準は?
実践演習
では、学んだ「マークダウン」「YAML」「C-O-R-F-V」を使って、実際の業務プロンプトを作成してみましょう。
演習課題:メール作成の自動化
以下のシナリオに基づき、AIに指示を出してください。
あなたは総務部の担当者です。来週行われる「セキュリティ研修(オンライン)」の案内メールを全社員に送る必要があります。参加は必須で、欠席者は後日録画を見てもらう必要があります。これをAIに書いてもらいましょう。
🤖 プロンプト例(コピーして使用可能)
あなたはプロの広報担当者です。以下の情報(YAML形式)に基づき、社員向けの案内メールを作成してください。
# Context (背景)
– 目的: 社内セキュリティ研修の受講率を100%にすること
– 対象: 全社員
– 課題: 忙しい社員も多いため、重要性を伝えつつ簡潔にしたい
# Objective (目的)
研修への参加、または録画視聴を促す案内メールの作成
# Role (役割)
丁寧だが、毅然とした態度の総務担当者
# Format (形式)
– 件名: 【重要/必須】から始める
– 本文: マークダウンで見出しをつけ、読みやすく構成する
# Input Data (条件 – YAML形式)
日時: 12月10日(火) 14:00-15:00
場所: Zoom (URLは後送)
内容: パスワード管理と標的型メール対策
重要事項:
– 参加必須
– 欠席者は後日アーカイブ視聴が必要
– 視聴後にテストあり
# Validation (検証基準)
– 「必須」であることが件名と本文で伝わるか
– 日時などの重要情報が箇条書きで見やすいか
– 威圧的すぎず、協力をお願いするトーンになっているか
まとめ
Week 2では、デジタル思考の基礎である「情報の構造化」を学びました。AIは曖昧な言葉を嫌います。マークダウンで見出しを作り、YAMLで条件を指定する。 これだけで、AIのアウトプット品質は劇的に向上します。
これはプログラミングではなく、AIに対する「マナー」のようなものです。この共通言語を身につけた皆さんは、もうAI初心者ではありません。
✅ 明日から使える3つのポイント
- 指示出しは「5W1H」で埋めてからAIに投げる。
- 条件(ターゲットや文字数)は「YAML形式(項目: 値)」で箇条書きにする。
- プロンプトの構成は「C-O-R-F-V」の型を守る。
よくある質問
Q1: マークダウンの記号(#や-)は全角でもいいですか?
A1: 基本的には「半角」推奨ですが、最近のAIは賢いので全角でも理解してくれます。ただし、半角スペースを入れる(例: # 見出し)のが最も確実な作法です。
Q2: C-O-R-F-V全部書くのは大変です。
A1: 簡単なタスクなら全て埋める必要はありません。しかし、「Format(形式)」と「Role(役割)」を指定するだけでも結果は大きく変わります。重要な仕事の時だけフルセットを使う、という使い分けでOKです。
スキルチェックリスト
- ✅マークダウンを使って見出しや箇条書きを作れる
- ✅YAML形式(項目: 値)で条件を指定できる
- ✅C-O-R-F-Vフレームワークを使ってプロンプトを作成できる
活用する基礎スキル
- Week 1: 3つの思考法の全体像(デジタル思考の位置付け)
成果物
- C-O-R-F-V形式で作成した業務プロンプト(3パターン)
- AIが生成した案内メールの下書き
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