#2.5: 構造化記法の活用
マークダウン、YAML、表形式を使いこなし、AIとの情報共有を効率化する
📊 難易度: 初級
🎯 学習スキル: 構造化記法、データ整理
導入
皆さんは、生成AIに長い文章や複雑な情報を伝えるとき、どのように書いていますか?
例えば、「会議の議事録を作って」と指示するとき、参加者の名前、決定事項、ToDoリストなどをどう伝えればいいでしょうか。普通の文章で書くと、情報が埋もれてしまい、AIが正しく理解できないことがあります。
Week 2では、C-O-R-F-Vフレームワークを使って効果的なプロンプトを設計する方法を学びました。この週では、その次のステップとして「構造化記法」を学びます。
構造化記法とは、情報を見やすく整理して伝える書き方のことです。
💡 この週で得られること
マークダウン、YAML、表形式という3つの記法を使いこなせるようになります。これにより、複雑な情報をAIに正確に伝えられるようになり、プロンプトの精度が大幅に向上します。
この章で登場する用語
📖 この章で登場する用語
学習内容
マークダウン(Markdown)の基本
マークダウンは、文章を簡単に装飾できる記法です。WordやExcelのように複雑な操作は不要で、記号を使って文章を整理できます。
📝 マークダウンの基本記法
# 大見出し
## 中見出し
### 小見出し
– 箇条書き項目1
– 箇条書き項目2
1. 番号付きリスト1
2. 番号付きリスト2
**太字** または __太字__
YAML(ヤムル)形式の活用
YAMLは、設定情報を書くための記法です。「項目名: 内容」という形式で書くだけで、情報を構造化できます。
マークダウンは「文章を書く」ための記法ですが、YAMLは「データを書く」ための記法です。例えば、プロジェクトの基本情報を伝えるとき、YAMLを使うと項目と内容が明確に区別されます。
📝 YAMLの基本記法(AI指示用)
項目名: 内容
別の項目: 別の内容
# リスト形式
参加者:
– 山田太郎
– 佐藤花子
# 階層構造
プロジェクト:
名前: 新規システム開発
予算: 300万円
⚠️ エンジニアの方へ:ここでのYAMLについて
本プログラムで紹介しているYAML記法は、「生成AIへの指示」に特化した簡易バージョンです。
システム開発で使われる厳密なYAMLでは、以下のようにクォーテーションやブラケットを使ってより正確に記述します。
# 厳密なYAMLの例
project_config:
id: 101
is_active: true
tags: [“urgent”, “backend”]
AIは賢いため、上記のような厳密な記法でなくても、インデント(字下げ)さえ合っていれば文脈を理解してくれます。ここでは「厳密さ」よりも「書きやすさ」を優先して解説しています。
オンラインセミナーでは、上記のような本格的な指示を一瞬で作成する方法なども紹介しています。
表形式による情報整理
表形式は、複数の項目を比較するときに最も効果的な方法です。行と列で情報を整理することで、AIは関連性を正確に理解できます。
📝 表形式の基本記法
| 項目 | 内容1 | 内容2 |
|—|—|—|
| 行1 | データA | データB |
| 行2 | データC | データD |
3つの記法の使い分け
それぞれの記法には、得意な場面があります。
| 記法 | 得意な場面 | 具体例 |
|---|---|---|
| マークダウン | 文章を構造化する | 議事録、報告書、マニュアル |
| YAML | データを項目ごとに伝える | プロジェクト情報、設定情報 |
| 表形式 | 複数の項目を比較する | 改善案の比較、スケジュール |
💡 使い分けのコツ
最初は、どの記法を使うか迷うかもしれません。そんなときは、「Excelで表にするなら表形式」「設定を書くならYAML」「それ以外はマークダウン」と覚えておくと便利です。
実践演習
それでは、学んだ内容を実際に使ってみましょう。以下のシナリオで、構造化記法を実践してください。
演習課題:新入社員研修プログラムの設計
あなたは人事部門で働いています。新入社員研修プログラム(3日間)を作成する必要があります。
各科目の担当講師、時間配分、使用する教材を整理して、生成AIに研修スケジュールを作成してもらいたいと考えています。
以下の3つのステップで、構造化記法を実践してください。
- 研修の基本情報をYAML形式で整理する
- 各科目の詳細をマークダウン形式で書く
- 3日間のスケジュールを表形式で作成する
解答例
✅ 1. 研修の基本情報(YAML形式)
研修名: 新入社員研修プログラム 期間: 3日間(2025年12月10日-12日) 対象: 2025年度新入社員10名 場所: 本社研修室 目的: 業務に必要な基礎知識とスキルを習得 科目: - プログラミング基礎 - ビジネスマナー - 社内システムの使い方 担当講師: プログラミング基礎: 山田太郎(IT部門) ビジネスマナー: 佐藤花子(人事部門) 社内システム: 鈴木一郎(総務部門)
✅ 2. 各科目の詳細(マークダウン形式)
# 科目詳細 ## プログラミング基礎 - 学習時間: 8時間(1日目) - 内容: - プログラミングの基本概念 - Python入門 - 簡単なスクリプト作成 - 教材: 「Python入門テキスト」 - 演習: 簡単な計算プログラムの作成 ## ビジネスマナー - 学習時間: 4時間(2日目午前) - 内容: - 電話応対の基本 - メールの書き方 - 名刺交換のマナー
✅ 3. 3日間のスケジュール(表形式)
まとめ
この週では、構造化記法の基礎を学びました。
マークダウンで文章を構造化し、YAMLでデータを項目ごとに伝え、表形式で複数の項目を比較することで、AIは情報を正確に理解できるようになります。
Week 3: デジタル思考②では、これらの記法を使って、さらに高度なプロンプトを作成する方法を学びます。構造化記法は、そのための重要な基礎スキルです。
✅ 明日から使える3つのポイント
- YAMLのテンプレートをメモ帳に保存しておく。
- AIへの指示だけでなく、社内資料の作成にも応用する。
- 表形式は、Excelで作ってからテキストに変換してもOK。
スキルチェックリスト
- ✅マークダウンの基本記法(見出し、箇条書き)を使える
- ✅YAML形式で項目と内容を書ける
- ✅表形式で情報を整理できる
成果物
- あなたの職場の業務情報をYAML形式で整理したドキュメント
- マークダウン形式で書いた業務マニュアルまたは議事録
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