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#5: タスク思考①:業務の分解と仕分け

#5: タスク思考①:業務の分解と仕分け

大きな仕事を「一口サイズ」に切り分け、AIと人間の役割を設計する

⏱️ 学習時間: 180-240分
📊 難易度: 初級
🎯 学習スキル: WBS、業務分解、AI/人間役割分担

導入

「AIに企画書を頼んだけど、薄っぺらい内容しか出てこない…」
それは、AIの能力不足ではなく、渡された仕事の「サイズ」が大きすぎることが原因かもしれません。

人間でも新人に「いい感じにプロジェクト進めておいて」と丸投げしたら失敗しますよね。AIも同じです。Week 5では、複雑な業務をAIが実行可能な「一口サイズ」に分解する「タスク思考」の基礎を学びます。

💡 この週で得られること

業務を細かいパーツに分解する「WBS(作業分解図)」の作り方を習得し、「ここはAIに任せる」「ここは自分がやる」という役割分担を明確に設計できるようになります。

この章で登場する用語

📖 この章で登場する用語

WBS (Work Breakdown Structure) 「作業分解図」。大きなプロジェクトを、管理可能な小さな作業(タスク)にツリー状に分解したもの。
粒度 (Granularity) タスクの細かさのこと。「資料作成」は粒度が粗く、「目次案の作成」は粒度が細かいと言います。
アトミック・タスク これ以上分解できない最小単位の作業。AIに依頼する時はこのレベルが理想です。

学習内容

1. 仕事を「料理のレシピ」のように分解する

「カレーを作って」と言われたら、皆さんは無意識に作業を分解しています。「野菜を切る」「肉を炒める」「水を煮込む」「ルーを入れる」。これらを順番に行うことで、美味しいカレーができます。

仕事も同じです。「イベントを企画して」という大きな塊のままでは、AIは何から手をつけていいか分かりません。これをレシピのように分解するのがWBSです。

指示の種類 具体例 AIの反応
丸投げ (粗い) 「来月の親睦会の計画を立てて」 △ 一般的すぎて面白みのない案が出る。
分解後 (細かい) 1. 会場候補を3つ探して
2. 案内メールの文面を作って
3. 当日の司会台本を書いて
◎ 具体的で使える成果物が出る。

2. WBSの作り方:3段階で考える

WBSは難しくありません。以下の3段階で階層を作るだけです。Week 2で学んだマークダウンの箇条書きを使うと、簡単に整理できます。

  • Level 1: 目的(ゴール) – 最終的に何を達成するか。
  • Level 2: フェーズ(工程) – 大きな手順の区切り。
  • Level 3: 作業(タスク) – 実際に手を動かす単位(15〜30分程度)。

💡 ポイント

AIに指示を出すのは、主にLevel 3(具体的な作業)の段階です。「Level 1をやって」と頼むのではなく、「Level 3の作業を順番にこなしてもらう」のがタスク思考の鉄則です。

3. AIと人間の「役割分担」

分解したタスクを全てAIがやるわけではありません。AIが得意なことはAIに任せ、人間は「判断」に集中します。

🤖 AIの担当 (Execution)

情報整理、アイデア出し、下書き作成、翻訳、要約、データ加工。

キーワード: 「量産」「下書き」「分析」

👤 人間の担当 (Judgment)

目的の設定、事実確認(ファクトチェック)、最終的な意思決定、責任を取ること。

キーワード: 「決定」「責任」「感情」

実践演習

WBSを作る作業自体も、AIに手伝ってもらいましょう。AIは「分解すること」が大得意です。

演習課題:新入社員向け研修の準備

あなたは来月入社する新入社員の「オンボーディング(受け入れ研修)」を担当することになりました。準備すべきことが山積みです。AIを使ってWBSを作成し、タスクを整理しましょう。

🤖 プロンプト例(C-O-R-F-V + WBS生成)

あなたは経験豊富な人事担当者です。
以下の条件に基づき、新入社員受け入れに必要なタスクを網羅したWBSを作成してください。

# Context (背景)
– 対象: 中途採用の新入社員 1名
– 部署: 営業部
– 入社日: 来月1日
– 課題: 準備の抜け漏れがないか心配

# Objective (目的)
スムーズな受け入れを行うためのタスク一覧(WBS)の作成

# Role (役割)
人事担当者

# Format (形式)
マークダウン形式のWBS(3階層)
各タスクの末尾に、推奨される担当者([AI] または [人間])を記載してください。

# Output Example (出力例)
1. 事務手続き
1.1 PCの手配 [人間]
1.2 アカウント発行依頼メールの作成 [AI]

# Input Data (条件)
– 準備期間は2週間
– 歓迎ランチの手配も含める
– 業務マニュアルの更新が必要

# Validation (検証基準)
– 準備、当日、入社後のフォローまで網羅されているか
– AIに任せられるタスク(メール作成やリスト化など)が適切に判別されているか

💡 次のステップ

AIが出力したWBSを見てください。「1.2 アカウント発行依頼メールの作成 [AI]」などの項目があれば、それをコピーして、Week 3のプロンプト技術を使って実際にメールを作らせてみましょう。

まとめ

Week 5では、タスク思考の基礎である「分解」と「仕分け」を学びました。

「この仕事、AIに頼めるかな?」と悩む前に、まずWBSに分解する。
そうすると、必ずAIが手伝える「小さな部品(下書き作成、リスト化など)」が見つかります。これが、業務の80%をAIに任せるための第一歩です。

✅ 明日から使える3つのポイント

  • 大きな仕事は、まず3階層(目的・フェーズ・作業)のWBSに分解する。
  • AIへの指示は「Level 3(作業)」の単位で行う。
  • WBSを作る作業自体も、AIにたたき台を作らせる。

よくある質問

Q1: [AI]と[人間]の区別が難しいです。基準はありますか?

A1: 「正解がないもの」「責任が伴うもの」「物理的な作業」は人間です。「情報の整理」「パターンのある生成」はAIです。迷ったら「下書きはAI、仕上げは人間」と考えてみましょう。

Q2: WBSは毎回書かないといけませんか?

A2: 慣れてくれば頭の中で分解できるようになります。ただ、複雑なプロジェクトや、チームで共有する仕事の場合は、AIを使って書き出すことを強くお勧めします。抜け漏れが劇的に減ります。

スキルチェックリスト

  • WBS(作業分解図)の概念を理解した
  • 業務を3つの階層(目的・フェーズ・作業)に分解できる
  • AIに任せるべきタスクと、人間がやるべきタスクを仕分けできる

活用する基礎スキル

  • Week 2: デジタル思考(マークダウン、YAML) ※WBSの記述に使用
  • Week 3: プロンプトの型(C-O-R-F-V)

成果物

  • 自分の業務を分解したWBS(AI生成+手直し版)
  • WBS内で「AI」と仕分けされたタスクの実行ログ
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