#5: タスク思考①:業務の分解と仕分け
大きな仕事を「一口サイズ」に切り分け、AIと人間の役割を設計する
📊 難易度: 初級
🎯 学習スキル: WBS、業務分解、AI/人間役割分担
導入
「AIに企画書を頼んだけど、薄っぺらい内容しか出てこない…」
それは、AIの能力不足ではなく、渡された仕事の「サイズ」が大きすぎることが原因かもしれません。
人間でも新人に「いい感じにプロジェクト進めておいて」と丸投げしたら失敗しますよね。AIも同じです。Week 5では、複雑な業務をAIが実行可能な「一口サイズ」に分解する「タスク思考」の基礎を学びます。
💡 この週で得られること
業務を細かいパーツに分解する「WBS(作業分解図)」の作り方を習得し、「ここはAIに任せる」「ここは自分がやる」という役割分担を明確に設計できるようになります。
この章で登場する用語
📖 この章で登場する用語
学習内容
1. 仕事を「料理のレシピ」のように分解する
「カレーを作って」と言われたら、皆さんは無意識に作業を分解しています。「野菜を切る」「肉を炒める」「水を煮込む」「ルーを入れる」。これらを順番に行うことで、美味しいカレーができます。
仕事も同じです。「イベントを企画して」という大きな塊のままでは、AIは何から手をつけていいか分かりません。これをレシピのように分解するのがWBSです。
| 指示の種類 | 具体例 | AIの反応 |
|---|---|---|
| 丸投げ (粗い) | 「来月の親睦会の計画を立てて」 | △ 一般的すぎて面白みのない案が出る。 |
| 分解後 (細かい) | 1. 会場候補を3つ探して 2. 案内メールの文面を作って 3. 当日の司会台本を書いて |
◎ 具体的で使える成果物が出る。 |
2. WBSの作り方:3段階で考える
WBSは難しくありません。以下の3段階で階層を作るだけです。Week 2で学んだマークダウンの箇条書きを使うと、簡単に整理できます。
- Level 1: 目的(ゴール) – 最終的に何を達成するか。
- Level 2: フェーズ(工程) – 大きな手順の区切り。
- Level 3: 作業(タスク) – 実際に手を動かす単位(15〜30分程度)。
💡 ポイント
AIに指示を出すのは、主にLevel 3(具体的な作業)の段階です。「Level 1をやって」と頼むのではなく、「Level 3の作業を順番にこなしてもらう」のがタスク思考の鉄則です。
3. AIと人間の「役割分担」
分解したタスクを全てAIがやるわけではありません。AIが得意なことはAIに任せ、人間は「判断」に集中します。
🤖 AIの担当 (Execution)
情報整理、アイデア出し、下書き作成、翻訳、要約、データ加工。
キーワード: 「量産」「下書き」「分析」
👤 人間の担当 (Judgment)
目的の設定、事実確認(ファクトチェック)、最終的な意思決定、責任を取ること。
キーワード: 「決定」「責任」「感情」
実践演習
WBSを作る作業自体も、AIに手伝ってもらいましょう。AIは「分解すること」が大得意です。
演習課題:新入社員向け研修の準備
あなたは来月入社する新入社員の「オンボーディング(受け入れ研修)」を担当することになりました。準備すべきことが山積みです。AIを使ってWBSを作成し、タスクを整理しましょう。
🤖 プロンプト例(C-O-R-F-V + WBS生成)
あなたは経験豊富な人事担当者です。
以下の条件に基づき、新入社員受け入れに必要なタスクを網羅したWBSを作成してください。
# Context (背景)
– 対象: 中途採用の新入社員 1名
– 部署: 営業部
– 入社日: 来月1日
– 課題: 準備の抜け漏れがないか心配
# Objective (目的)
スムーズな受け入れを行うためのタスク一覧(WBS)の作成
# Role (役割)
人事担当者
# Format (形式)
マークダウン形式のWBS(3階層)
各タスクの末尾に、推奨される担当者([AI] または [人間])を記載してください。
# Output Example (出力例)
1. 事務手続き
1.1 PCの手配 [人間]
1.2 アカウント発行依頼メールの作成 [AI]
# Input Data (条件)
– 準備期間は2週間
– 歓迎ランチの手配も含める
– 業務マニュアルの更新が必要
# Validation (検証基準)
– 準備、当日、入社後のフォローまで網羅されているか
– AIに任せられるタスク(メール作成やリスト化など)が適切に判別されているか
💡 次のステップ
AIが出力したWBSを見てください。「1.2 アカウント発行依頼メールの作成 [AI]」などの項目があれば、それをコピーして、Week 3のプロンプト技術を使って実際にメールを作らせてみましょう。
まとめ
Week 5では、タスク思考の基礎である「分解」と「仕分け」を学びました。
「この仕事、AIに頼めるかな?」と悩む前に、まずWBSに分解する。
そうすると、必ずAIが手伝える「小さな部品(下書き作成、リスト化など)」が見つかります。これが、業務の80%をAIに任せるための第一歩です。
✅ 明日から使える3つのポイント
- 大きな仕事は、まず3階層(目的・フェーズ・作業)のWBSに分解する。
- AIへの指示は「Level 3(作業)」の単位で行う。
- WBSを作る作業自体も、AIにたたき台を作らせる。
よくある質問
Q1: [AI]と[人間]の区別が難しいです。基準はありますか?
A1: 「正解がないもの」「責任が伴うもの」「物理的な作業」は人間です。「情報の整理」「パターンのある生成」はAIです。迷ったら「下書きはAI、仕上げは人間」と考えてみましょう。
Q2: WBSは毎回書かないといけませんか?
A2: 慣れてくれば頭の中で分解できるようになります。ただ、複雑なプロジェクトや、チームで共有する仕事の場合は、AIを使って書き出すことを強くお勧めします。抜け漏れが劇的に減ります。
スキルチェックリスト
- ✅WBS(作業分解図)の概念を理解した
- ✅業務を3つの階層(目的・フェーズ・作業)に分解できる
- ✅AIに任せるべきタスクと、人間がやるべきタスクを仕分けできる
活用する基礎スキル
成果物
- 自分の業務を分解したWBS(AI生成+手直し版)
- WBS内で「AI」と仕分けされたタスクの実行ログ
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