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#4: デジタル思考③:様々なデータの活用(マルチモーダル)

#4: デジタル思考③:様々なデータの活用(マルチモーダル)

文字入力だけじゃない。手書きメモも、会議音声も、PDFもAIに読ませる技術

⏱️ 学習時間: 180-240分
📊 難易度: 初級
🎯 学習スキル: マルチモーダルAI、OCR活用、文字起こし、ファイル分析

導入

「AIを使うには、キーボードでたくさん文章を打たないといけない」と思っていませんか? それは大きな誤解です。

最新のAIは、私たちと同じように「目(画像認識)」「耳(音声認識)」を持っています。ホワイトボードの写真、手書きのアンケート、英語のPDFマニュアル、会議の録音データ。これらをそのままAIに渡せば、一瞬でデジタルデータに変換し、要約してくれます。

Week 4では、デジタル思考の総仕上げとして、テキスト以外の情報をAIに処理させる「マルチモーダル活用」を学びます。

💡 この週で得られること

手入力の時間をゼロにします。紙の資料や音声データをAIに直接読み込ませ、分析させることで、アナログ業務を一気にデジタル化する技術が身につきます。

この章で登場する用語

📖 この章で登場する用語

マルチモーダル (Multimodal) 「複数のモード(種類)」という意味。テキストだけでなく、画像、音声、動画などを同時に理解できるAIの能力こと。
OCR (光学文字認識) 画像の中にある文字を読み取って、テキストデータに変換する技術。最近のAIは手書き文字も高精度で読み取れます。
文字起こし (Speech to Text) 音声をテキストに変換すること。議事録作成などでAIが最も活躍する領域の一つです。

学習内容

1. 「読む」AI:画像とPDFの活用

ChatGPTやClaudeには「クリップマーク(添付ボタン)」があります。ここにファイルをアップロードするだけで、AIはその内容を理解します。

読み込めるもの 活用シーンの例
手書きのメモ・ホワイトボード 会議後のホワイトボードをスマホで撮り、AIに送って「決定事項を箇条書きにして」と指示する。
紙のアンケート用紙 写真を撮って「回答内容を表(CSV形式)にまとめて」と指示し、Excel転記を自動化する。
長いPDFマニュアル アップロードして「P20〜30の経費精算の手順だけ要約して」と指示し、読む時間を短縮する。

💡 ポイント

AIに画像を見せる時は、人間が見る時と同じです。「この画像の右上の部分を見て」や「赤字で書いてあるところだけ読み取って」といった指示も通じます。これを「視覚的なプロンプト」と呼びます。

2. 「聞く」AI:音声データの活用

スマートフォン版のChatGPTアプリには会話機能があり、PC版でも音声ファイルをアップロードして分析させることができます。

  • 議事録作成: 録音データを文字起こしツール(WhisperやWordの機能)でテキスト化し、それをAIに投げて「要約」「ToDo抽出」「決定事項の整理」を行わせる。
  • アイデア出し: 散歩中などに思いついたことを喋ってAIに聞かせ、「今の話を企画書っぽく整えて」と頼む。

3. デジタル思考の統合:アナログをデータに変える

Week 2で学んだ「構造化(マークダウン/YAML)」と、今回の「マルチモーダル」を組み合わせると最強です。

例えば、手書きの表を写真で撮り、AIにこう指示します。
「この画像の内容を読み取り、マークダウンの表形式で出力してください」
これだけで、手入力の手間がゼロになり、すぐに再利用可能なデータが手に入ります。

実践演習

手元にある「紙」や「画像」を使って、AIの視覚能力を試してみましょう。

演習課題:手書きメモのデジタル構造化

手近な紙に、今週の予定や買い物リストを適当に手書きしてください。それをスマホで撮影し、以下のプロンプトと共にAIにアップロードしてください。

🤖 プロンプト例(画像添付と一緒に使用)

あなたは優秀な秘書です。
添付した手書きメモの画像を読み取り、以下の形式でテキストデータ化してください。

# Context (背景)
– 私の手書きメモを、デジタルで管理できるように整理したい
– 読み取れない文字がある場合は [不明] と記述すること

# Objective (目的)
手書きメモの正確なデジタル化と構造化

# Format (形式)
マークダウン形式
– 日付やタイトルがあれば見出しにする
– 項目は箇条書きリストにする
– もしタスクが含まれていれば、チェックボックス(- [ ])にする

# Validation (検証基準)
– 手書きの内容が漏れなく文字起こしされているか
– デジタルデータとしてコピペして使える状態になっているか

実務活用例:PDF資料からの情報抽出

📝 シナリオ
役所や取引先から送られてきた、読みづらいPDFの「申請マニュアル(全50ページ)」があります。必要なのは「提出期限」と「必要書類」だけです。これをAIに探させます。

演習用PDFファイルのダウンロード

🤖 プロンプト例(PDF添付と一緒に使用)

添付のPDFファイルを読み込み、以下の情報を抽出してYAML形式で出力してください。

# Role (役割)
申請手続きのアシスタント

# Extraction Items (抽出項目 – YAML)
申請名: [マニュアルのタイトル]
提出期限: [日付または期間]
提出先: [部署名や住所]
必要書類リスト:
– [書類1]
– [書類2]
注意点: [ペナルティや特記事項があれば]

# Validation
– ページ数を指定する必要はありません。全体から探してください。
– 記載がない項目は「記載なし」としてください。

💡 実務での活用ヒント

「この資料のどこを見ればいいの?」というストレスから解放されます。AIに「下読み」をさせて、人間は抽出された重要ポイントだけを確認する。これがデジタル思考による時短術です。

まとめ

Week 4では、AIの「目」と「耳」を使う方法を学びました。これで、手入力という単純作業から解放されます。

Week 2で学んだ「構造化(マークダウン)」と、今回の「マルチモーダル」を組み合わせることで、アナログな情報を一瞬でデジタル資産に変えることができます。これこそが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の第一歩です。

✅ 明日から使える3つのポイント

  • 紙の資料やホワイトボードは、まず写真に撮ってAIに投げる。
  • 長いPDFは人間が読む前に、AIに「必要な情報」だけを抽出させる。
  • 読み取った内容は、必ず「マークダウン」や「YAML」などの構造化データとして出力させる。

よくある質問

Q1: 機密情報が含まれる書類をアップロードしても大丈夫ですか?

A1: 注意が必要です。 多くのAIツールの初期設定では、入力データが学習に使われる可能性があります。会社の規定を確認し、機密情報(個人情報や未公開データ)はマスキングするか、学習に利用されない設定(オプトアウトやEnterprise版の利用)を行ってください。Week 15で詳しくリスク管理を学びます。

Q2: 手書き文字が汚くても読めますか?

A2: GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetなどの最新モデルは、人間でも判読困難なレベルの文字を高精度で読み取れます。ぜひ一度試してみてください。

スキルチェックリスト

  • 画像をAIにアップロードして、内容を説明させることができる
  • 紙の資料を写真に撮り、テキストデータ(マークダウン)に変換できる
  • PDFファイルから特定の情報を抽出するプロンプトを作成できる

活用する基礎スキル

  • Week 2: デジタル思考(マークダウン、YAML) ※抽出したデータの出力形式として必須
  • Week 3: プロンプトの基本構造(C-O-R-F-V)

成果物

  • 手書きメモをデジタル化したマークダウンテキスト
  • PDF資料からの情報抽出ログ(YAML形式)
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